浦谷さおり(うらたに・さおり)
金木犀舎(きんもくせいしゃ)代表。
編集者・デザイナー・イラストレーター。
版元ドットコム会員/出版ネッツ会員/はりま産学交流会会員/姫路商工会議所会員。
兵庫県生まれ。
神戸大学で美術教師になる学科にいましたが、在学中に阪神淡路大震災に遭い、ケガひとつなく生かせてもらったので本当にやりたいことをやろうと思い中退。
昔から本にかかわる仕事がしたかったので、小さな出版社にイラストを持ち込み、それがきっかけで編集者兼イラストレーターとして働きはじめました。そのあと、フリーランスをしながら大阪、千葉と引っ越して、東京都葛飾区に結構長く住んで、東京の出版社2社で勤務ののち、2015年の年末に兵庫に戻ってきました。息子が2人います。
『ヌーヤルバーガーなんたることだ 沖縄カルチャーショック』(西日本出版社)という本を2006年に書かせてもらって以降、何冊か著作があります。
文章を書いたりまとめたり、企画を考えたりするのも、IllustratorやPhotoshop、InDesignを使ってデザインワークをするのも、どれも同じくらい楽しいことです。
編集や執筆に加えて、デザインやイラストもプロレベルでやる人というのは、あまり多くありません。
出版の仕事は専門的な内容が多いので、それぞれのプロが分業し、チームを組んで進めていくのが一般的です。
だけど、それは時として悪い方向に働きます。
チームのバランスがうまくいかないと、本の出来具合はずいぶん左右されてしまうのです。
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もともと文章を書くのも絵を描くのも両方好きだったので、
「編集もデザインも勉強して自分ひとりでできるようになれば、
チームのバランスなど気にせずにコンスタントに
完成度の高い本づくりができるんじゃないか」と考えて、いろいろやるようになりました。
いまは、著者とのやり取りだけで作ってしまうこともあれば、チームを組んで作ることもあります。
チームがうまくいったときの達成感はすごいので、どちらも続けていきたいです。
本作りは楽しくて、長年やっていても飽きることがありません。
なぜなのか考えてみたら、単純作業がとても少ないからなんです。
当然ながら本は1冊1冊内容が違うので、毎回新しいことを勉強しなくてはなりません。
文体も構成もデザインも紙選びも、流れ作業ではできません。
「この本の個性がちゃんと表現できていますように」
「たくさんの人に手に取ってもらえますように」
思いを込めて、ドキドキしながら印刷から上がってくるのを待ちます。
他の仕事はすぐに飽きてしまうダメな人なので、
このまま、おばあちゃんになっても本を作っていたいです。