『ヌーヤルバーガーなんたることだ 沖縄カルチャーショック』
(文と絵・浦谷さおり、西日本出版社、A5判並製)です。
2006年に発売されたデビュー作です。
これを書いていた頃は、関西の雑誌を中心に
イラストレーター兼ライターの仕事をしながら、
美術研究所の講師などもしていました。
自由にあちこち旅行に行けた若かりし頃です(笑)
20代前半の頃、友人と沖縄でプチ移住のようなことをしていました。
那覇のような街中ではなく、
当時は玉城村(たまぐすくそん)という地名だった沖縄本島の南のほうで、
海とさとうきび畑に囲まれたアパートを借りて
生活道具を揃えながら暮らしました。
そのとき実際に身の回りにおこった、親切すぎる沖縄人にもみくちゃにされる
ビックリ体験を中心に書いています。
そのあとも暇をみつけては沖縄に通っていました。
(この写真はUSJで撮ったものですが)
お気楽そうにポップコーンを頬張っています。
イラスト満載です。
いちおう、目次をひととおり掲載↑
いまでは大きなスーパーへ行けば本州でも手に入るようになった沖縄食材ですが、
当時は見たことのないものばかりでした。
この本、本文が黒ではなく、深い緑の1色刷りなんです。
私はデザインにはかかわっていなかったので、
出来上がってきたときに驚きました。
本の後半は、おいしいお店を紹介しています。
それまで雑誌のライティングは結構していましたが、
本をまるごと1冊書いたのはこれが初めてでした。
1000字以内のお店紹介を書くのと1万字程度の
インタビュー記事を書くのでは組み立て方が違うのと同様、
本を1冊書くのはこれまでやってきたことと感覚がずいぶん違ったので、
最初は戸惑い、試行錯誤の連続でした。
雑誌はたいてい1行の文字数が少なくてすぐ折り返しますが、
書籍は1行が40字とか(この本はもう少し多い)あるので、
文章のリズムも変わってきます。
句読点の打ち方や、漢字とひらがなのバランスなど
リズムと印象を形成する細かなポイントも
この本を書きながら気づいていった部分です。
だからこそ、めちゃくちゃ面白くて、夢中になって書きました。
この本やそのあとの著作を出させていただいて、
出会った編集者さんやデザイナーさんの姿を見て、
書籍制作の仕事がしたいと思うようになりました。
この本を書いていなかったら、いまごろ何をしていただろうなぁ。
いろんな意味で、とても大切な1冊です。