『能の本』
監修・辰巳満次郎(シテ方宝生流能楽師)/文・村上ナッツ/マンガ・つだゆみ
(西日本出版社、1500円+税)
です。
私は編集を担当しました。
【カバーと帯】
『能の本』、シンプルでど直球のタイトルです。
能舞台を観に行く前の予習として、「わかりやすい」「親しみやすい」は当たり前。
もっと付加価値をつけたくて、盛りだくさんな内容になりました。
「能の入り口」20曲を厳選し、それぞれの曲が
・短編小説のように楽しめる「ものがたり」
・声に出して読みたい「そそる台詞」
・世界観がひとめでわかる「マンガ」
・満次郎の「ここが面白い」
という構成です。
いちばんの特長は、能楽界で大活躍されている宝生流の辰巳満次郎さんに
全面的に監修していただいたことです。
監修というと、出来上がったものを最後に間違いがないかチェックしてもらったり、
少しコメントをいただいたりするぐらいなイメージですが、
この本は単なる監修だけでは飽き足らず、コラムやそれぞれの曲の「ここが面白い」など、
たくさんの原稿を執筆いただいています!
現役の能楽師さんがここまでかかわった本は、他にはないとのことです。
ブックデザインは私の敬愛するデザイナー、上野かおるさんです。
あがって来た本の表紙を見て「さすが!」とうなりました。
バチッとはまっています。
【見返し】
見返しの深い紺色が、カバーの朱色を引き立たせています。
絶妙の配色。
【本文】
タイトル&そそる台詞&マンガページ。
つだゆみさんのマンガはユーモラスでつい笑ってしまいます。
私は特に「俊寛」の顔がたまらんです(このページではありませんが)。
ものがたりはゆったり読みやすく組んでいます。
村上ナッツさんは劇作家・脚本家。
舞台上の映像がパッと浮かぶような文章で、ものがたりに惹き込まれます。
能の舞台やDVDをたくさん観て、原文を読み込んで、5年がかりで書かれました。
私もついでに原文と格闘乱闘し、あーでもない、こーでもないと言いながら
このかたちになりました。
辰巳満次郎さんのコラムです。4本掲載されています。
面白いですよ!
おまけページ。
「能の型」として、その曲独特の動きの意味を紹介しています。
私のお気に入りコーナーです。