『能の本2』
(辰巳満次郎・監修、村上ナッツ・文、つだゆみ・マンガ、
西日本出版社刊、1,600円+税、四六判並製)です。
前作『能の本』が、能に関する本としては異例のヒットになったので
めでたく第2弾の発売が決まりました。
私は今回、編集に加えてDTPも担当しました。
1年間ものすごい労力を注いで、やっと仕上がった本。
なんとか無事に発行できて、とにかくホッとしています。
【カバー】
今回も装丁デザインは鷺草デザインさんです。
シリーズなので前作を踏襲したデザインですが、
ベースは明るい若草色になりました。
用紙も前作と同じ、コートにマットPP。汚れが目立たなくていいですね。
表紙イラストは『紅葉狩』に登場する上臈たちがずらっと並ぶシーンになりました。
ちょっと怖い…?いえ、壮観です。
【カバーそで】
カバー袖には監修の辰巳満次郎さんのプロフィールです。
見返し用紙は表紙の塚の色にあわせた「なすび色」です。
【本文】
定番の人気曲から、演じられるのが稀な曲まで、全15曲を掲載。
前作が「あれも、これも」と詰め込んだらボリュームがありすぎて、
本が分厚くなりすぎて正直持ちづらかった(笑)という反省を生かし、
ちょっと少なくしました。
おかげでぺージ数的にはちょうどいい分厚さになったのではないかと。
それぞれの曲ごとに
◎「基本情報」
◎特に印象に残る箇所をピックアップした「そそる台詞」
◎お話の全体像をつかむのにもってこいの「マンガ」
◎これを読むだけで、背景やストーリー、登場人物の感情の機微まで
しっかり頭に入る小説風の「ものがたり」
◎辰巳満次郎さんがこっそり教える、演者ならではの「ここが面白い」
で構成されている、懇切丁寧な本です。
これを読んでから舞台を見に行けば、びっくりするほど話の内容がわかること請け合い。
「あらすじ」だけではわからなかったことが、じつはたくさんあったんです!
「ここが面白い」は前作では「もうちょっと読みたい!」と
感じていたので、少し長めに書いていただきました。
私のイチオシは「能の型」ぺージです。
全曲に入っているわけではなく、ランダムに6ぺージあります。
その曲独特の型などを、辰巳満次郎さんに指導してもらいました。
このコマ送り的な「石橋(しゃっきょう)」の型が面白いです!
満次郎コラムもちゃんとありますよ〜。
能を一度観に行ってみたいけど、全然わからないかも…と不安に思っている方に
ぜひおすすめします。
能のお話って想像以上にドラマティックですよ!