『哲学の苑にて』
(山下善明著、晃洋書房刊、5,400円+税、 360ぺージ、A5判上製)です。
明星大学教授で哲学者の山下善明先生の著書。
たゆたうように思考の海を渡っていく文体で書かれた論考集です。
【カバー】
以下、Facebookにも同じようなことを書いたのですが…
装丁デザインを考えるときは、パソコン画面で見たりプリントアウトしたりしながら、
自分の頭のなかにある「完成イメージ」に近づけていきます。
そしてカバーや見返しの用紙を選ぶときには、
「自分が作ったデザインがこの用紙に印刷されるとどうなるだろう」と、
これまた頭のなかでイメージしながら決めていきます。
そうすると、どうしても頭のなかで
自分が望ましいと思う方向に調整してしまうので、
実際の仕上がりは「頭のなかの完成図」の
9割ぐらいの出来であれば上々なのですが、
たま〜に、それよりもいい仕上がりになるときがあります。
◎デザインと用紙の相性が想像以上だったとき。
◎印刷所さんの腕が抜群だったとき。
他にも理由はあると思うけど、でもそんなときは本当にたま〜です。
本書はそのたま〜な1冊でした。
写真で見るよりも、紙の手触りや本の重さと一緒にしたほうがずっといい感じに仕上がっています。
届いたとき「おおっ」と思わずつぶやいてしまいました。
コンスタントにこの「おおっ」なデザインと紙指定ができるようになるにはどうすればよいのですかねぇ…
カバー用紙はリベロ。帯はコートにグロスPPです。
帯の背部分に入っている
「哲学の 苑に吹く風 そよぐ草」
という著者の句がピリッと効いています。
【はなぎれ&しおり】
はなぎれもしおりもエンジ色を選択しました。
これは、カバーに入っている書(図版)の落款の色に合わせています(誰も気づかんな)。
【表紙】
【本扉】
見返しはラシャ紙の濃茶。
本扉はOKフロートのペールブラウンです。
写真は白く写ってしまっていますが、
本物は結構しっかりペールブラウン(ベージュっぽい色)です。
【本文】
前に哲学系の出版社にいたこともあって、
哲学系の文体はけっこう好きですし、仕事でも割と読んでいるほうだと思うのですが
全然知識につながらないのはなぜなんでしょうか。
同じ単語を何回調べるのか、私…
自分の脳のキャパシティの狭さがうらめしいです…。
逆に言えば、毎回はじめてのような新鮮な気持ちで読めます(笑)
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